こんにちはこんばんは!イモコユウキです。
引き続き、D Smoke vs Old Man Saxonのラップバトルの和訳をしていきますよ!今回はD Smoke編!この人のラップ最高だった・・・Youtubeでは「Saxonが勝つべきだった」みたいなコメントもあるけど、僕はそうは思わない。Old Man Saxonの和訳はこちらへどうぞ。
僅差だったことは間違いないですが、和訳を見てみるとSmokeの方がウィットに富んでいてかつパンチラインも残している印象があります。8mileみがすごい。
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D Smokeについて
ドレッドヘアーと物憂げな表情が特徴。Inglewoodというウルトラ治安が悪い土地出身にも関わらずUCLAを卒業して学校で先生をやっているという異色のラッパー。
ルーツに根差したビートアプローチと芸術性の高いワードセンスがとても魅力的。リズム&フロー出場者の中でバトルでもMVでも、どんな局面でもクオリティの高いパフォーマンスを見せ続けてきましたよね。
D Smoke ラップ和訳
では早速、本文です。
It’s Inglewood.As much as I’d like to jump on this mic and show you love, it’s Inglewood.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
Let’s go for blood nor regard for your artistry. Load the sawed-off and get to barking.
Taking paint off the walls in the hallway.
I’m committing murder and I won’t feel sorry.
This nigga look like a broke Steve Harvey.
Oh, hey, you even got the stache but my flow is the GOAT.
See, I’m Kobe, you’re no-ring Barkley.
Smoke will blow them Os, king but you know who Los is.
You’re gonna need your coach ringside so clear the rope, throw the towel in.
You’re that white thing that I use to clear my bowels in.
Well, you better not miss no class, ungh, I will honestly beat your ass.
Get your pass cause you’re about to leave early.
For this your last opportunity.
Just know ain’t nobody gonna miss you facts.
I did my homework and I just took out the trash.
Buena suerte, my nigga but this my motherfucking bag.
動画はこちらからどうぞ。
前回と同様に本文は引用、和訳は吹き出しでお送りします♪
1行目
It’s Inglewood. As much as I’d like to jump on this mic and show you love, it’s Inglewood.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
イングルウッドを代表して来たよ。音楽で愛を伝えたいけど、残念ながらイングルウッドをREPしてるからそうはいかねぇ。
It’s Inglewood は直訳するとアホみたいな分になるので意訳しました。Old Man Saxonの素晴らしいラップに敬意を表したラップをしたいけど、でもイングルウッドが掛かってるから全力でいくぞ、という意思表示だと思っています。
イングルウッドはコンプトンと並ぶ治安の悪い町。日本で言うと新宿スタイルに近いんだろうか
2行目
Let’s go for blood no regard for your artistry. Load the sawed-off and get to barking.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
血みどろの戦いだ!お前の芸術性なんてどうでもいい。散弾銃に弾込めてぶっ放す。
「sawed-off」は銃身の短いショットガンのこと。「ショートバレルショットガン」なんて言われ方もしますね。
「barking」はbark = 吠える ですが、これは散弾銃が発射される音の事を意味してるんだと思います。
3行目
Taking paint off the walls in the hallway.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
そこら中の壁をボロボロにしてやる
hallway:玄関、廊下ですがあえて意訳しました。
散弾銃が撃たれて壁紙が剥がれる、という内容ですがここは勝手なイメージですがショットガン撃っておいて壁紙が剥がれるだけでは済まされない気がするので壁がボロボロになる、と訳しました。
4行目
I’m committing murder and I won’t feel sorry.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
人殺しても俺の良心は痛まねぇ
強い。イングルウッド出身でリアルなストリートを生きてきたD Smokeだからこそ言える気がします。MC漢に通じる魅力があるような気がする。こう、鮮明に描写された非日常というか。
5行目
This nigga look like a broke Steve Harvey.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
こいつまるで野暮ったいコメディアンみたい
Steve Harveyの見た目が僕も分からなかったので最初全然ピンとこなかったですが、本人画像を見て吹きました。しかもbroke = 貧乏 なバージョンをイメージすると更に面白い。Harvey本人画像は以下からどうぞ。
いや全然似てないんだけど、なんとなく言わんとしてることは分かる(笑)
6行目
Oh, hey, you even got the stache but my flow is the GOAT.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
コメディアンに寄せて口ヒゲまで生やしてるけど俺のスキルは生え抜きの一級品だ
stacheはmustache = 口ヒゲのことです。GOATは「Greatest Of All Time」、要するに最高傑作の事を意味します。最初にGOAT (またはG.O.A.T)と言ったのはLLcoolJらしいですよ。
しかもGOATはgoatee = あごひげ の意味でもあるからSteve Harveyの下りを見事にここで伏線回収してますね。文字起こししてダブルミーニングに食らうパターン。
和訳はでは、口ひげを生やす → 生え抜き と意訳しました。ここは結構自信あります!
7行目
See, I’m Kobe, you’re no-ring Barkley.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
俺はさながらコービーブライアント、お前は無冠のバークレー。勝負にならねぇ。
BarkleyはCharles Barkleyのこと。殿堂入りしてますが、一度もシリーズ優勝していない事でも知られています。ビッグマウスで有名で、shaqとたびたびbeefしてますね。
8行目
Smoke will blow them Os, king but you know who Los is.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
煙でOリング作るみたいにこんな奴吹っ飛ばす。誰が王様か分かるだろ。
「Os」の意味が単体だとちょっと難しかったです。SmokeとOなので、タバコとかでOリングを吐く、みたいなことなのかなと思っています。
また、「blow」は「吹く」という意味ですが、吹き飛ばすとか台無しにするみたいな意味でも使われますね。例えば “I had a chance and I blew it.” は「チャンスを台無しにしてしまった/モノにできなかった」という使われ方をします。
king but you know who Los is
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
ここは全くのお手上げでした。
「G.O.A.T」をリリースしてるKing Losの事を言ってる・・・??
9行目
You’re gonna need your coach ringside so clear the rope, throw the towel in.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
ボクシングならとっくにコーチがタオル投げてリングに駆け寄ってるよ
clear the ropeは、ボクサーが入場するときにコーチがロープを引っ張ってリングに入れてあげることを意味すると思っています。
今回は「タオルを投げる」にあわせて意訳しています。
10行目
You’re that white thing that I use to clear my bowels in.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
まるで俺のケツを拭くトイレットペーパーだ
「bowels」は腸とか便通を意味します。この描写だけでも結構パンチ強いですが、それだけじゃなくて9行目の「towels in」と「bowels in」で韻を踏んでますね。韻がめっちゃ固い!1
11行目
Well, you better not miss no class, ungh, I will honestly beat your ass.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
学校サボるんじゃねぇぞ、ボコボコに指導してやろうか
急に「学校」というワードが来ましたが、先生をやっているD Smokeならでわの言葉選びですね。
また、「beat your ass」で観客が大盛り上がりします。これはMC漢が「ワンパンでKOだ」みたいな事を言うのと同じことなのかなぁ??ストリート出身のヒップホッパーの暴力描写っていう点ではそうなのかも。
「no class」と「your ass」で韻を踏んでいる事も盛り上がる要因の一つなのかも。
12行目
Get your pass cause you’re about to leave early.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
直ぐに家に帰らせてやるから早退届を出せ
「pass」は合格ともとれるし、許可とも取れます。が、「leave early」と先程の学校の下りから判断して、早退届と訳しておきました♪
13行目
For this last opportunity.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
これがお前の最後のチャンスだ
12行目と文章が繋がっていますが、訳出するスキルが十分になかったので文章を分けました。
14行目
Just know ain’t nobody gonna miss you facts.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
お前が帰っても誰一人気にしねぇ
ここは分かりやすかったですね。さっさと早退して帰れ、だれもお前のことなんて気にしてない。という意味です。
コンテスト初期から頭角を表していたSaxonだからこそこの言葉を投げたんじゃないかな?と思っています。
15行目
I did my homework and I just took out the trash.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
俺は宿題もやったしゴミ出しもやった
直訳ですが、裏の意味を考えると「俺はバトルの準備や練習を沢山してがんばってきたけどお前は努力不足だ」っていう事を言いたいんだと思う。
16行目
Buena suerte, my nigga but this my motherfucking bag.
Netflix “Rhythm + Flow” (リズム&フロー) episode 6 “ラップバトル”
グッドラックだ、じゃあな。賞金は俺のモノだ!
「Buena Suerte」というスペイン語を使ってくるあたり知性を感じる。D Smokeはスペイン語も喋れるらしいですよ。多才が過ぎる。
「bag」はそのまんま袋なんですが、「moneybag」でドル袋の意味です。ドル袋は映画でよく現金輸送車に格納されてるアレ。
賞金が25万ドルも出るので、そこと関連付けて「bag」と表現していますね。
さいごに
全文和訳載せようと思ったけど勘弁してください。疲れたけど楽しかった!
こうやって自分なりに訳出してみると、言葉の裏の意味とかダブルミーニング、韻まで理解しやすくなりますね!また訳出したいかと言われるとしんどいからやりたくない。
大学時代の英和翻訳ゼミを思い出したよ・・・一日中訳出すると人間気が狂います。
みんなぜひNetflixでリズム + フロー見ようね!最後にD Smokeの動画貼っておきます。
それでは。