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溢れ出る多幸感!「David T Walker」というプレイヤーについて

バイプレイヤーという言葉をご存知でしょうか?
和製英語らしいんですが、よく「脇役」と表現したいときに使う言葉ですね。

僕は松重豊さんや安田顕さんが大好きで、芝居や映画のことはよく分からないですが彼等の演技が間違いなく作品にとって良いスパイスになってるんじゃないかなぁと思う事もよくあります。

名バイプレイヤーというのは音楽界でも存在します。

今日はそんな名バイプレイヤーであり数々の名盤で神がかり的な演奏を残してきた、デビッド T ウォーカーについてお話したいと思います。

David T Walkerってどんな人?

デイヴィッド・T・ウォーカー(David T. Walker, 1941年6月25日 – )は、アメリカ合衆国のギタリスト。ソウルミュージック、R&B、ジャズなどのジャンルにクロスオーバーしたギタリストである。ボビー・ウーマックのアルバム「ザ・ポエト」1、マイケル・ジャクソンの「ガット・トゥ・ビー・ゼア」、ニック・デカロの「アンダー・ザ・ジャマイカン・ムーン」(1974)などでの名演でも知られている。

引用元:wikipedia
  • マイケル・ジャクソン
  • スティービー・ワンダー
  • マーヴィン・ゲイ
  • クルセイダーズ
  • マリーナ・ショウ

ちょっと挙げただけでもこちらのような物凄いレジェンド達の作品に参加している、物凄い経歴のギタリストです(語彙力)

モータウン黄金期時代のファーストコールスタジオギタリストとして活躍されているまさに生きる伝説です。

日本人アーティストにも愛されていて、特にドリカム/吉田美和さんとは仲が良いみたい。

David T Walkerの魅力

では早速、David Tの魅力についてお話しますね。

十八番のあまりにも美しいダブルストップ

 ヴァンヘイレンのタッピングやスティービーレイヴォーンの9thを入れたペンタトニックフレーズ等、ギタリストによっては必殺技みたいな十八番フレーズがあったりしますよね。

デビッドTの場合、ダブルストップが彼の十八番と言えます。

例えば、普通のドレミファソラシドを3度音程で1弦と2弦を使ったフレージングをよく使っているのを耳にすると思います。

3度音程というのはすんごい要約するとドとミのように、ドレミファソラシドを1つずつ飛ばした時の音と音の距離感のことです。

例えば以下のような。

こんなフレーズ、デビッドTの演奏でよく耳にしませんか?

ただ、このダブルストップというのは結構色んな人が使っています。特にソウルやファンク等で多様するギタリストも多いのでそれだけで強烈な個性とは言えないんです。

けど、デビッドTの演奏するダブルストップは一味違うんです!

彼はダブルストップ演奏の入りや終わりがけに右手でトレモロ奏法のように断続的にオルタネイトピッキングをすることで、彼独自のまるで水が流れるような鮮やかな演奏をしています。

コードを弾くときもオルタネイトしながらハンマリング/プリングを繰り返す事で上記と同じ効果を出している事もあります♪

シンプルかつ多幸感溢れるフレージング

デビッドTのダブルストップは確実に彼の独自性を生み出している事は間違いないです。しかし、ダブルストップ以外のフレージングもとてもエモーショナルだからこそダブルストップが生きるのかも?しれません。

彼のギターソロの大半を占めているのは、実はふつーのマイナーペンタ一発です。この時代のギタリストは結構ペンタ一発な事も多かったりしますよね。デビッドTの場合、ペンタでのソロはブルース一辺倒な弾き方とはちょっと違います。

ペンタというとチョーキングやビブラートに焦点が当たりやすいですが、彼の場合はペンタをメロディーとして演奏することが多いです。例えばこちら

こういったメロディーのような優しいペンタフレージングも彼の特色の一つです。ペンタと聞くとロック/ブルース一辺倒なイメージですが音の選び方やリズムでこんなにも変わるんだ…と思わせてくれます。

ピッキングコントロールによるダイナミクス

他にももっと沢山あるんですが、彼の特徴の一つであるピッキングについてお話したいと思います。

まず、ピッキングには

・順アングル
・平行アングル
・逆アングル

という弾き方の種類があります。

順アングルというのは、平行に並んでいる弦に対してピックが右上(時計の10時くらい)を向いている時のピックの角度のことです。

平行アングルというのはそのまんま弦とピックが平行な状態です。

逆アングルというのは、順アングルとは逆で、ピックが左下(時計の7,8時くらい)を向いている時の角度のことです。

ちょっと言葉にすると分かり辛いですね…詳しくはこちらの記事を見てみてください。

https://shimpacino.work/guitar-pickingangle-position/

デビッドTは殆どの場合逆アングルを使っているのが特徴です。逆アングルのメリットとしては、芯が強くて太い音を出せることかな?

彼は逆アングルピッキングで、しかも限りなく脱力して演奏しているように思います。右手の人差し指と親指でピックを挟む力をコントロールすることで、ギターのダイナミクスを最大限に利用しています!

ピッキング力のコントロールが出来ると、楽曲の場面に合わせて自在に抑揚を付ける事が出来ますよね。クラシック等でもそうですが、抑揚を自在に操ることでギター一本でも曲が成立してしまうレベルの演奏を行うことが出来ます。

必聴David T Walker演奏楽曲/動画

ここからはデビッドTのライブ映像や音源の紹介です♪デビッドTと言ったらマリーナ・ショウの超名盤「Who’s This Bitch Anyway?」が有名ですが…有名なのであえてここでは紹介しません(笑)

吉田美和「DARLIN’」

いやまじでこの曲ド頭からダブルストップ入りまくるし、リズムセクションのグルーヴも凄すぎます。

デビッドT含め素晴らしいメンバーの演奏に吉田美和の、ソウル愛溢れる歌声が気持ち良いです…何度でも聴きたい。 このアルバム全編でデビッドT祭りなのでオススメ!

Marvin Gaye 「What’s Goin On」カバー

Marvin Gayeのライブ盤も素晴らしいですが、デビッドTのソロが聴けるのでこちらの動画をおすすめにします。

多幸感溢れるペンタフレーズにダブルストップ、そしてアウトロは1人でギターソロしていて抑揚が素晴らしく素晴らしいです…

Ed Motta「Windy Lady」

ブラジル出身のロック/ソウル/ジャズミュージシャンのED MOTTAさんがまさかの山下達郎の「Windy Lady」をカバーしているライブ映像なのですが、ゲストとしてデビッドTがギターを弾いています。

ゲストと言うだけあってデビッドTの自由奔放なプレイが曲中で沢山聴けます。自由に弾いている感じなのに曲にバッチリハマってます。

さいごに

演奏を聴いてみて、いかがでしたでしょう?僕は2年ほど前に東京のビルボードでデビッドTのライブを見ましたが…本当に温泉に浸かっているような感覚がありました。どこまでもドラマティックで、途中で何度も泣きました…

イモコユウキ
イモコユウキ

思い出しただけで泣けてくるよ!涙がとまらないよ!

いかがでしたでしょう?デビッドTの演奏の秘訣や名演について紹介してきましたが、これをきっかけにもっと彼の演奏を聴いてくださる人が少しでも増えれば僕はとてもうれしいです。

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