最近「ペンタから脱却」という論旨の記事をめちゃめちゃ良く見かけませんか?僕はいつも見かけているような気がします。
確かにペンタトニックスケールにはジャンルによって合う、合わないが存在しますよね。例えばネオソウルのような洗練された音楽には△3rdの良くも悪くも田舎臭い音程は合わないような気がします。
僕が言いたいのは何かというと
「ペンタから脱却 = 他のスケールを使う」ではないということです。
そして、おそらくペンタから脱却する、という言葉の本当の意味は「自分の知っているペンタ手癖から脱却してよりクリエイティブな演奏をする」という事だと思っています。
今日はペンタ脱却の手段について考えてみようと思います。
ペンタって本当に脱却すべきものなの?
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ペンタを使わない演奏について
それでは早速ですが、「ペンタ脱却」と聞いて最初に思いつく手段についてお話したいと思います。
例えばこんなバッキングトラックを使ってみましょう。
ペンタを使わない場合、どんな手段で弾くことができるでしょう?
いくつか考えられそうですよね。
コードトーンを使う
今回のバッキングトラックの場合、key=Gの3コードブルースとなります。なので基本的にはG7のコードトーンを使うことでソロが演奏できます。
コードが G7→C7→D7と変遷していくので、コードが変わるタイミングでコードトーンも対応するkeyに変更することで担保できます。
比較的覚えやすいけど、ソロとしては使いづらいかも?
スケールを使う
ブルース進行では全てのコードが7thになるというある意味POPSの論理を無視したコード進行になっています。
そのため、様々なスケールを使うことが可能になります。
例えばGミクソリディアン→Cミクソリディアン→Dミクソリディアンで弾き切ることも十分に可能です。
その他にはG7thとV7だと仮定して、I△7のCメジャースケールで演奏することもできるし、よく使われるオルタードスケールを用いることも可能です。
スケールを使ったり、コードトーンを使うことで表面上はペンタから脱却できたかに見えますが、ペンタから脱却するって本当にこういう事なんでしょうか?
僕は違うんじゃないかなと思っています。
そんな事言っても、手癖から逃げられないんじゃ仕方なくない?
本当にペンタって自分の手癖以外に使う場所ないと思う?こんなに世界中の名手が使ってるのに??
2種類のペンタを使うことについて
上では、ペンタ以外を運用することについてお話しました、今度はペンタを積極的に運用することで脱「自分の」ペンタを行おうと思います。
マイナーペンタとメジャーペンタを混ぜる
ギタリストの中にはマイナーペンタを中心に、っていうかほぼマイナーペンタで演奏する人も多いきがします。
なので、メジャーペンタをもっと積極的に取り入れていきましょう。
とはいえ、どうやって取り入れるのかわからない!という方もいると思います。
最も簡単なメジャーペンタの取り入れ方をお伝えしたいと思います。
マイナーペンタに△3rdの音を入れる
まず最初はこれだけでOK!
参考までに、メジャー/マイナーペンタをミックスさせた動画をご覧ください。
脱却という考えを捨てよう
この記事全体を通してお伝えしておきたいのですが、ペンタトニックスケールはメジャーマイナー問わずギターと恐ろしく親和性が高い優秀なスケールです。
音をきちんと選んで弾けばジャズでもブルースでもポップスでも通用するとても有用なスケールなんですよ〜!
なので、脱却するべきはペンタではありません。
真に脱却すべきは「ずっと同じフレーズばかり弾いている自分」です♪
僕もよくやっちゃうけど、それだと成長が止まってしまいますよ!
脱却 = 逃げるではない
25歳くらいから僕はある先生に師事しはじめたのですが、練習やスキル向上の一環としてコードトーンを中心にジャズの練習をはじめました。
その時には、コードトーンやジャズ的アプローチこそ自分が求めているもののような気がして、あと自分の手癖やペンタに限界を感じていて全く違うフィールドに答えを求めていました。
もちろん違うフィールドの弾き方や考え方は僕のギターをとても豊かにしてくれました。しかし、それと同時に本当に求めている事と違うことを長い間演奏することになってしまいました。
なのでまとめると、ペンタはソロに困った時に逃げる場所ではなく、むしろ挑戦してこそ真価を発揮するスケールじゃないかな?というのがここ3年くらいで痛感した僕の意見です。
新しいリックを覚えたい人は
最も体に入りやすいのは好きなアーティストやギタリストのソロをコピーすることだと思いますが、もっと手軽にリックを手に入れたい方にはこんな本がおすすめです☆
僕のおすすめは、メジャー/マイナーペンタを縦横無尽に横断し、流麗なブルースプレイに定評のあるマットスコフィールドの楽譜!
それでは。